海運とは
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海運とは
海運とは、海上を利用し船で人や物を運ぶことをいいます。四方を海で囲まれている日本にとって、海運は人々の暮らしを支える上で大きな役割を果たしてきました。暮らす上では欠かすことのできない食材や衣類、電気の燃料となる石油や石炭、天然ガスのほとんどが船によって運ばれています。海運は、他の運輸手段と比較して、重量・距離あたりのコストが格段に安く、大量・長距離の輸送に適しているという特長があるため、エネルギーや資源の多くが船で運ばれているのです。さらに、できるだけ効率的に貨物を運ぶために特定の貨物に合わせて造られた船を「専用船」と呼び、貨物の種類によって船の形や仕組みが分かれています。石油を運ぶ「タンカー」や、衣類や家具など日用品をコンテナに入れて運ぶ「コンテナ船」、石炭や鉄鉱石、木材チップを運ぶ「ばら積み船(バルク船)」など、私たちの生活を支えるために、様々な船が活躍しているのです。
生活を支える船のいろいろ
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- 原油タンカー
- 石油をばら積みで運べるよう、船体の壁が仕切られたタンクの状態になっており、石油の積み降ろしはポンプで行われます。
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- ばら積み船
- バルク船とも呼ばれ、梱包されていない小麦などの穀物や、石炭、セメントといった、ばら積みの貨物を艙内に入れて輸送します。
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- 貨物船
- 衣類や食料、家具、機械などを運び、もっともオーソドックスといえる船。艙内は様々な荷物が混載できるよう、汎用性のある構造となっています。
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- コンテナ船
- 貨物を入れたコンテナを運ぶ船。貨物船の中では最も速く走ることができ、タンカーと並んで海上貨物輸送の主流を占めています。
海運の今とこれから
世界経済の発展に置いて、海運は必要不可欠なライフラインです。産業に欠かすことのできない原油や天然ガスなどの資源、生活に欠かすことのできない衣服の材料や穀物といった食料品まで、多くの物が船によって運ばれています。世界の人口が増加の一途をたどる中で、海上輸送量は右肩上がりに増加し、同時に船の輸送力も増加しています。
また、資源の乏しい日本においては、鉄鋼石、石油、天然ガスといったエネルギー源、加工品の原材料は、ほぼ100%輸入に頼っており、それらの多くは船で輸入されています。さらに、日本で加工した製品を輸出する際にも、ほとんどが船で輸送されているのです。これらのデータは、海運が成長産業であるということを示しています。